第2回 太田麻衣子さんに聞く！
大会を120％楽しむ徹底攻略法

大会まで一ヶ月！ 本番を想定したトレーニングを

いよいよ大会まで一カ月となると、わくわくと楽しみにしている人もいれば、だんだん焦ってきたという人もいるのではないでしょうか。不安に思っている人もまだまだ大丈夫です。少しずつ気温も上がってきているので、レースに向けて練習量を増やしていきましょう。
お勧めのトレーニングはレースと同じ距離のバイクとランを単体で走ること。もちろん、ゆっくりとしたペースで大丈夫です。完走できることがわかれば、心のゆとりにもなります。雪国等にお住まいで、外での練習がまだできない方はローラーでも大丈夫です。

レースは朝7時から夕方6時30分までという長丁場なので、時間を見ながら生活してみると「こんなに長いのか」と思うかもしれません。ロング練習の対策として、3種目連続で動き続けてみましょう。スイム1時間、バイク3〜4時間、ラン2時間くらい、ペースはゆっくりで良いのでレースの長丁場を少しずつ体に覚えさせていくことが大切です。もっと短くても良いので3種目連続でやってみてください。バイク→ランでも効果的です。
スイムが苦手で普段はあまり泳がないという人も、そろそろきちんと練習を開始しなければならないのがこの時期です。ウエットスーツをちゃんと着られるかのチェックも！もしオーダーするとなると4週間くらいかかるので早めに確認してください。全然泳がずにレースに臨むと、最初から疲れてしまい、後のバイクとランで実力を発揮できなくなります。一日の中でスイムとラン、スイムとバイクと続けて練習するのも実践的なので、ぜひ試してみてください。ジムに通っている方もスイムしてからトレッドミルで走ってみましょう。スイムの後にランやバイクをすると、いつもはあまり意識しない重力を感じ、脚がすごく重いと思うかもしれません。その感覚にも慣れて本番に臨みましょう。練習した分本番で落ち着いてレースを進めることができます。

補給も練習のひとつとして実践的に！

皆さんは、レース途中の補給には、どんなものを摂っていますか？　自分で作ったおにぎりがいいという人、ゼリー飲料がベストという人、ジェル一択という人、もちろん、どれも正解です。自分に合ったものを把握しておき、レースの途中で的確にエネルギーが摂れることが何よりも大切です。
レース一カ月前のこの時期、休みの日は長時間練習しているという方も多いでしょう。長時間練習する際には、バイクに乗ったまま、またはランを走りながら、補給をしてみてください。練習中は、コンビニなどで好きな食べ物を落ち着いて食べたい気持ちになるものです。しかし、実際のレースでは落ち着いて食べたいものが食べられるものとは限りません。運動をしながら食べられるものを探しておくことも、レースを完走するために欠かせない準備のひとつなのです。補給にも練習が必要だとぜひ心に留めておいてください。
参考までに、私の場合を記します。私は、レース中に固形物は心拍が上がってしまうため食べません。最近、大勢の人が摂るようになってきたジェルもベタベタするのが気になるので、アスリチューンというゼリーなどを摂っています。ボトルに経口補水液等と一緒に混ぜて、特製のエネルギーボトルを作っています。こうしたものはレース前に自分の好みの補給を見つけておくのが大切です。ドリンクボトルはストローが付いているタイプを使用しています。DHポジションの時にそのまま飲むためです。

レースの最中に、いちいちパッケージを開けるのが面倒だと感じる方もいるでしょう。そうした場合は、ボトルや容器に詰め替えておくといった準備も必要になります。ストレスなく補給ができるように、それも練習をしておきましょう。
補給のタイミングはお腹が空いたと感じてからでは遅いので、30～40分に一度、最低でも1時間に一度は補給をするようにしてください。空腹を感じなくても、体が低血糖で動かなくなるハンガーノックは突然やってきます。急に体が動かなくなり、そこから慌ててエネルギーを補給しても、回復するまでに30分程度はかかります。せっかくいいペースでレースを進めてきても、そこでロスをしては元も子もありません。しっかりと的確な補給ができれば防げることなので、摂取のタイミングもしっかりと把握しておきましょう。
前回も熱中症対策の必要性について書きましたが、塩分の補給も用意をしておいてください。最近は、アスリートソルトのような塩分を摂取するためのサプリメントやタブレットも販売されているので、そうしたものを取り入れるのもいいでしょう。中には、食品カプセルにご自分で塩を詰めて飲んでいる方、梅チューブや味噌を舐めながらレースをしている方もいます。どんな方法でもいいので、自分にあった塩分補給の方法も見つけておくのが大切です。